愚問
日の傾きかけた砂漠を隊商が行く
その駱駝と人の群れを砂の丘に昇って
東洋人の髪のように黒いサソリが眺めている
傍に横たわる骸の女に見向きもせずに
暗澹たる闇が降りてもサソリは動こうとはしない
己が何者かも知らぬ曖昧さで其処に佇んでいるのだ
─ 幾ばくの時が過ぎただろうか
月の焔が 骸の女を恍惚と浮かび上がらせた
サソリは女に眼を遣り愚問する
「何故美しいのか」と
─ 女は答えない
凝固する血の涙にサソリは更に愚問する
「何故泣くのか」と
─ 女は答えない
苦悶の形相におぞましい逸楽を感じながら
サソリの愚問は続く
「何故死ぬのか」と
─ 女は答えない
そして 四度の愚問を遮るように月は雲に呑まれ
闇が全てを覆い尽くした
答えぬ女の顔を黒いサソリは無造作に這ってゆく
女とサソリの間にはもはや何も無い
其処にはただ生と死が転がっていた
【more…】
初掲載
2012年08月07日 (火)
23時15分54秒
先日、
電気羊にうってつけの日moz84さんから
以下のコメントを頂きました。
気分転換に挑戦させて頂きました♪
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この文に続く文をご自由にどうぞ↓
日の傾きかけた砂漠を隊商が行く
その駱駝と人の群れを砂の丘に昇って
東洋人の髪のように黒いサソリが眺めている
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愚問
日の傾きかけた砂漠を隊商が行く
その駱駝と人の群れを砂の丘に昇って
東洋人の髪のように黒いサソリが眺めている
傍に横たわる骸の女に見向きもせずに
暗澹たる闇が降りてもサソリは動こうとはしない
己が何者かも知らぬ曖昧さで其処に佇んでいるのだ
─ 幾ばくの時が過ぎただろうか
月の焔が 骸の女を恍惚と浮かび上がらせた
サソリは女に眼を遣り愚問する
「何故美しいのか」と
─ 女は答えない
凝固する血の涙にサソリは更に愚問する
「何故泣くのか」と
─ 女は答えない
苦悶の形相におぞましい逸楽を感じながら
サソリの愚問は続く
「何故死ぬのか」と
─ 女は答えない
そして 四度の愚問を遮るように月は雲に呑まれ
闇が全てを覆い尽くした
答えぬ女の顔を黒いサソリは無造作に這ってゆく
女とサソリの間にはもはや何も無い
其処にはただ生と死が転がっていた
moz84さん、ありがとうございました(ฅ'ω'ฅ)♪
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